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3回にわけてまとめた、ELFとは何か、という記事の3回目、学派としてのELFについて書きます。

ELFの、以下の3つの使い方の3つめです。

1.英語が世界中で共通語として使われているという現象
2.世界で共通語として使われている英語
3.グローバル化の中で変化する英語を研究する学派

言語学には、ELF Researchersとか、ELF Paradigmとよばれる、ELF研究者のゆるいまとまりのグループがあります。
基本的に、この学派のスタンスは、ノンネイティブの立場に立って、グローバル化の中の英語の共通語化を研究することにあります。

ELF研究の基礎は、ELFとして使われている英語を分析し、その特徴をまとめることですが、その使用者の意識を調べ、どのようなイデオロギーやアイデンティティをもっているかを分析する研究が増えています。

この中で、ELFとして英語を話すノンネイティブや、ノンネイティブの英語教師、そして、ネイティブの教師たちが、強く、ネイティブ規範にとらわれ、ネィティブ信仰をもちつづけている、という研究結果が繰り返し出ています。英語を勉強する人はすべて、アメリカ人や、イギリス人などネイティブの英語を目標とするべきだという考えは、Native Normとよばれます。


ELFは基本的にはノンネイティブ同士の英語利用ですから(ネイティブが少数派として参加する場合も含みます)、そこでネイティブの英語にこだわるのは、変じゃないか、ネイティブ規範から離れていいんじゃないか、という主張が、多分、ELF学派の最も特徴的なスタンスだと、私は思っています。

これは、自明の議論のような気もしますが、よく考えると、なかなか深い問題があります。

まず、ELFの使用実態の調査では、仕事で英語を使うノンネイティブの多くは、実務的に英語を使っていて、ネイティブのように英語を話さなくてはいけない、という意識が薄い、という研究が、ヨーロッパから多く報告されています。

英語学習者も、「文法を間違わない」ことばかりに意識を集中すると、実用的に英語を使えないと思う、という意識をもつ人が多いものの、できればアメリカやイギリス風の英語を話せるようになりたい、というネイティブ願望がある、という研究が多くあります。

一方、ネイティブはもちろん、ノンネイティブの先生も、英語を外国語として教える時、ネイティブのような英語をめざして教えるケースが多いと報告されています。

これに対して、ELFの学者は、もっとELFの実態を認識してもらい、ネイティブ信仰にとらわれない英語教育や英語の利用環境を国際的に広げるべき、と主張します。現実と意識のギャップを埋める必要がある(Seidlhofer,2001)という議論です。

ただ、ネイティブ信仰にとらわれない英語教育とはどんな教育なのか、というのは、なかなかイメージの浮かばない、難しいテーマです。 また、間違いを気にしない、Broken Englishが横行してしまったら、英語が限りなく崩れていき、言葉としての体裁をなさなくなるじゃないか、という懸念も指摘されています。 特に、イギリスの英語学者などは、英語が崩れて使われることに、強い抵抗感があるようです。

Seidlhofer, B. (2001). Closing a conceptual gap: The case for a description of English as a lingua franca. International Journal of Applied Linguistics, 11(2), 133-158.
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