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最近、ヨーロッパの言語学の研究でよく聞かれる、'ELF'をご存知ですか。
ELFは、English as a Lingua Francaを省略したもので、
以下のような3種類の違った意味で使われる、と私は考えています。

1.英語が世界中で共通語として使われているという現象
2.世界で共通語として使われている英語(ネイティブの英語と違う英語であるという認識に立って)
3.グローバル化の中で変化する英語を研究する学派

まず、1の、「現象」としてのELFについて、私が考えていることを書きます。

ELFを現象をあらわす言葉として使う場合、基本となるのは以下の2つの観察だと思います。

まず、世界中で英語を使う人の数を比較すると、英語を母国語としない人の方が、英語を母国語とする人を圧倒的に上回るという点。

もうひとつは、英語が使われる状況として、英語を母国語としない人だけでも英語を使われることが非常に増えた、という点。

この2つの点を反映して、英語が国際語、つまりLingua Francaとして使われているという状況を、
世界のグローバル化の中でおきている現象としてとらえて、ELFとよんでいます。

Lingua Francaという日本人に聞きなれない言葉は、ラテン系の語源をもち、
ヨーロッパでかつてフランク語が商業共通語として使われたという歴史から生まれました。
異なる母国語をもつ人々が使う、共通語という意味です。

英語を世界共通語とよぶことには、抵抗がある人も少なくありません。
特に、ヨーロッパではフランス語、ドイツ語、スペイン語など、「大きな言葉」がひしめき、
言葉の影響力を、国の文化やアイデンティティに結び付けて競ってきた歴史があるだけに、
英語の拡大を苦々しく観察している人も多く、国連やEUでも英語だけが世界共通語となっているわけではありません。

でも、現実には、英語が圧倒的な存在となり、出版、仕事、インターネットなどの分野で
英語が独占的共通語となりつつある、という認識が多くの人にあるように思います。

特に、ヨーロッパでも「小さい言語」や、国内に複数の言語が存在する国で、
英語が広く使われるようになり、特にビジネスでは、母国語よりも英語を主に使う人が増えています。
たとえば、ベルギー、フィンランド、ノルウェー、スイスなどの国です。

こうした国の英語の使い手たちは、自分たちは仕事では、英語を第一言語として使っているのに、
アメリカ人やイギリス人が英語を自分たちの「占有物」と考え、いつまでもネイティブ英語の真似しろと求められるのは、おかしいじゃないかと言い出したわけです。つまり、ネイティブの英語だけが正しいという考えに、ヨーロッパの英語の使い手たちが、「異論申し立て」をとなえたのが、ELFの始まりではないか、と私は推察しています。
(ELFの生い立ちについては、いつか、私の指導員のJennifer Jenkinsにじっくり聞いてみたいです)。

こうした考えをもつ人が、英語が今までと違う段階に入ったという意味をこめて、English as a Lingua Francaというラテン系の言葉を選んだのだろうな、と思います。同じ意味のことを、英語だけで表現することもできましたが、'English as a global language'とか、'English as an international language'よりも、ネイティブの英語の世界からの一線を画する、という意味がはっきりする、ELFという言葉を選んだのだと思います。 

この生い立ちがあるから、ELFはヨーロッパを中心に広がってきたし、アメリカでは言語学が盛んなわりに、ELFはあまり注目を集めていません。これから、ヨーロッパ以外の地域で、ELFという言葉が広まるか、とても興味深いと思います。特に、英語学習者が一挙に増えて、英語学習熱が盛んなアジアでELFが広まるか、私としては注目しています。

こうした現象としてのELF、つまり英語の国際共通語化が、各国の言語政策、教育、文化、社会、そして英語学習者や使用者の意識にどのような影響をあたえているか、というのも、研究の対象として注目されている分野で、社会言語学ではグローバル化の中の英語についてたくさんの研究が出ています。
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